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第10話  記録の部屋

last update Petsa ng paglalathala: 2026-07-07 20:25:36

旧藍都学苑の事務棟──現在はLAPISの監視本部とされる場所に、三枝美佳たちは足を踏み入れた。

建物は外観こそ古びているが、内部は驚くほど整備されていた。白く光る無機質な壁面に、動作音もなく動く自動扉。まるで病院と研究所をかけ合わせたような空間だった。

「こんな場所、学苑にあったなんて……」

純が眉をひそめてつぶやく。

「なかったよ。表向きはね」

そう答えたのは宮下ユリだった。彼女の口調はあくまでも冷静で、もはや同級生というより、別の“何か”に属している印象すらあった。

廊下を進み、彼女が導いたのは、「記録室」と書かれたドアの前。

壁には小さなプレートが貼られていた。

> LAPIS:分類管理セクション第3保管ユニット

ユリは立ち止まり、振り返る。

「ここには、あなたたち──アンケート最終項目に“YES”と答えた者たちの記録があるの」

「“記録”? どういう……?」

美佳が尋ねると、ユリは無言でドアに指を添えた。

開かれた瞬間、冷たい空気とともに、ホログラムの映像が壁一面に浮かび上がった。

そこに映っていたのは──

「……わたし?」

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